329 アイデア

道川光莉は眼鏡を直しながら言った。「安藤さんの言う通り、私たちが二見奈津子さんの結婚式を内緒で準備して、最後に伝えるということですか？これって...サプライズですか？ショックを与えすぎじゃないですか？」

佐々木理恵は拳を掌に打ち付けた。「素晴らしい！安藤さん！あなたのアイデアは本当に素晴らしいと思います！私たちが一丸となって、義姉さんに内緒にすれば、結婚式のことで緊張したり、仕事に影響が出たりすることもないでしょう？私たちこれだけの人数がいるんですから、結婚式なんて小さなことは、義姉さんに心配させる必要はないですよね？」

「そうですね！」

「その通り！その通り！」

みんなが賛同した。

佐々木理恵は緊張した表情の道川光莉の肩を叩いた。「ねえ、道川さん、どういうつもり？裏切り者になりたいの？その場で処刑しちゃうわよ！」

道川光莉は眼鏡を直し、真面目な顔で言った。「じゃあ、私を買収したいなら、口止め料が必要でしょう？そんなに多くは要りません。撮影の時に協力的になって、むやみに怒らないでくれれば良いです！」

佐々木理恵は人差し指で彼女の額を押しながら、歯を食いしばって言った。「あなた、こっそり橋本拓海を師匠にしたでしょう？どうしてあの損をしない術をそっくりそのまま学んだの？」

道川光莉は眼鏡を直し、傲慢に言った。「彼に私の師匠になる資格なんてありません！で、承諾するかどうか言ってください！承諾しないなら、今すぐ二見社長のところに行きますよ！」

みんなは二人の少女が子供のように口げんかをしているのを笑って見ていた。

佐々木理恵は息を吸って「はいはいはい、負けました。承諾します！でも、私たち二人で契約書を作りましょう。裏切り者になってはいけません。規則違反したら罰を受けることになります。どんな罰にするか...よく考えないと！」

道川光莉はすぐに答えた。「いいですよ！問題ありません。おまけに一つ提案があります。結婚式の総合プランナーを担当させてください。プランナーは必要でしょう？これは私の得意分野なんです！」

佐々木理恵は腰に手を当てた。「へえ、あなたは橋本拓海という毒にやられちゃったみたい！話し方が彼そっくり！いいわ！必要よ、あなたみたいな統括プランナーが必要なの！これで決まりね！」