近藤真琴はこの数日間、息子のことで頭を悩ませていた。
丹野環奈は彼女と一緒に林千代のためのドレスやアクセサリーを選びに行き、近藤真琴は羨ましそうに見ていた。
丹野環奈は彼女の気持ちを察したが、二見華子を強く推薦した。
彼女もその娘を知っていて、印象は悪くなかったのだが、息子はそれを聞くや否や逃げ出し、数日間家に帰ってこなかった。怒った彼女は手配書を出すところだったが、仕方なく坂元慶子に愚痴をこぼしに行った。
結果として、坂元慶子から二見華子の多くの話を聞き、息子が遠ざかった理由を理解した。心の中で丹野環奈に腹を立て、どうしてこんな娘を紹介したのか、本当に悪意があると感じた。
ちょうどそのとき、今村恵子が坂元慶子を訪ねて息子の結婚式について相談に来たので、彼女も一緒について行くことにした。
今村恵子の息子の嫁は関口孝志の元カノで、丹野環奈に公衆の面前で狐狸精と罵られ、評判は非常に悪かったと噂されていた。しかし今村恵子はそれを全く気にせず、息子の嫁について話すときは愛情に満ち溢れ、嫁の良いところばかり語っていた。
近藤真琴は率直な性格で、すぐに坂元慶子と今村恵子の考えに同意した。息子が幸せなら、姑として百パーセント嫁を受け入れる。結局のところ、生活は息子と嫁のものだし、息子が好きで幸せなら、それが彼女たちの幸せなのだ。
二人のプレゼント選びは、丹野環奈のように鈴木家の地位や身分を誇示するようなものではなかった。
今村恵子は息子の嫁の気質や好みに合わせて品物を選び、そのような尊重の仕方はより温かく心が温まった。丹野環奈と林千代の関係では、姑の威厳と嫁の従順さが目立っていた。近藤真琴は自分には丹野環奈のような姑はできないと感じ、今村恵子と坂元慶子のような姑の方が自分に合っていると思った。
今村恵子は家伝のアクセサリーの中から一セットを選んで息子の嫁に贈りたいと考えていたが、藤原美月のドレスにどんなものが合うのか分からなかった。そこで三人はすぐにクラウドに見に行くことにした。重要なのは、坂元慶子も結婚式を挙げる気になっていたことだ。
近藤真琴にとって、今回の訪問は視野を広げただけでなく、予期せぬ収穫もあった。
なんと、あの出来の悪い息子が、こんなに「優秀な」人物だったとは!