435 鎮圧

彼は苦い顔をしていたが、橋本拓海の側に立たざるを得なかった。幸い橋本拓海が主導権を握っていたので、彼はもうこれらの女性たちが無礼を働くことを恐れなくてもよかった。

「招待状をお見せください」警備責任者は公式に言った。

望美はそんな形式に従うつもりはなかった。「そんな言い方をするなら、藤原美月を呼ぶわよ!藤原美月に出てきてもらって、どうして彼女の実の母親が親族席に座れないのか説明してもらいましょう?」

「それは親族席に彼女の母親の代わりをする人がいるからだ!」重々しい声が橋本拓海の後ろから響いた。

橋本拓海は急いで振り返り、救われたように「森永さん!」と言った。

森永さんは橋本拓海に微笑んだ。「新郎新婦のお客様の対応を手伝ってあげなさい。ここは私が対応する」

「はい!」橋本拓海は急いで頷き、振り返って歩き出した。あの妖艶な女性たちを一瞥もせずに。