435 鎮圧

彼は苦い顔をしていたが、橋本拓海の側に立たざるを得なかった。幸い橋本拓海が主導権を握っていたので、彼はもうこれらの女性たちが無礼を働くことを恐れなくてもよかった。

「招待状をお見せください」警備責任者は公式に言った。

望美はそんな形式に従うつもりはなかった。「そんな言い方をするなら、藤原美月を呼ぶわよ!藤原美月に出てきてもらって、どうして彼女の実の母親が親族席に座れないのか説明してもらいましょう?」

「それは親族席に彼女の母親の代わりをする人がいるからだ!」重々しい声が橋本拓海の後ろから響いた。

橋本拓海は急いで振り返り、救われたように「森永さん!」と言った。

森永さんは橋本拓海に微笑んだ。「新郎新婦のお客様の対応を手伝ってあげなさい。ここは私が対応する」

「はい!」橋本拓海は急いで頷き、振り返って歩き出した。あの妖艶な女性たちを一瞥もせずに。

望美の顔には意味深な笑みが浮かび、視線は橋本拓海を追った。

森永さんは振り返って橋本拓海に指示した。「藤原美月に伝えなさい。安心してお客様をもてなすように。こちらは私がいるから、来る必要はないと」

彼が再び向き直ると、望美の視線と真正面から合った。淡々と言った。「彼はただの子供だ」

望美はようやく視線を戻し、親しげに言った。「森田さん、久しぶりね!あなたがいるって知ってたわ!ふん!あの生意気な娘はあなたを後ろ盾にして、私たちを全く眼中に入れていないのよ!」

森永さんは手を上げ、脇の別室を指さした。「久しぶりだね。あちらで旧交を温めようか」

望美は目を光らせ、森永さんが上げた手を取り、嗜めるように言った。「私は花嫁の実の母親よ。さっきのイケメン君が私に末席に座るよう言ったけど断ったのに。あら!あなたが来るなり私を別室に追いやるの?そんなの道理に合わないわ!」

「森田さん!私たちは何十年もの付き合いよ!どうしてこんな扱いをするの?あの娘を可愛がるのは構わないけど、古い友人の私にこんな仕打ちはないでしょう?」