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橋本拓海は思わず頷き、褒めた。「うん、なかなか機転が利くね!」

道川光莉は彼に白い目を向けた。

橋本拓海は中を覗き込み、肩で道川光莉を軽く突いた。「ねえ、藤原美月のお母さんが一体何をしに来たのか知りたくない?」

道川光莉は眉をひそめた。「場を荒らしに来たような気がする。」

「じゃあ、近づいて聞いてみない?」橋本拓海が唆した。

道川光莉はやや躊躇い、美月のことが心配で、その方向をじっと見つめていた。

「いいじゃないか、君の会社はみんな総出で、あんなに大勢いるんだから、君一人が手伝わなくても大丈夫だよ!行こうよ、二人で何者なのか聞いてみよう。本当に何かあったら、美月に早めに準備させるためにも」と橋本拓海は言った。

これで道川光莉の心が動いた。美月さんに損をさせるわけにはいかない!