第20章 姐御肌の秋田緑

栄光高校は大阪市でナンバーワンの私立高校で、ここで学べるのは、成績が特別優秀か、家庭環境が特別良いかのどちらかだった。

原詩織は成績が特別良い方で、佐藤和音は家庭環境が良い方だった。

そして佐藤和音の兄、佐藤直樹のように、両方兼ね備えている者もいた。

佐藤和音は高校一年生で、今年の九月に入学したばかりだった。

佐藤直樹や原詩織のような特進クラスとは違い、佐藤和音は普通クラスでも成績が最下位だった。

佐藤和音が一年八組の教室の入り口に着くと、教室にはすでに多くのクラスメートが来ていた。

佐藤和音を見て、みんなが驚きと信じられない表情を浮かべた。

佐藤和音は彼らを気にせず、まっすぐ自分の席に向かった。

彼女の席には物が山積みにされていた。

そして、彼女の持ち物は全て消えていた。