第30章 さっさと栄光高校から出ていけ

二人は佐藤和音に対して嘲笑を浴びせかけた。

彼女たちの言葉を聞いた高校一年八組の他の生徒たちも、不快感を覚えていた。

この秋田緑は本当に横暴だった。父親が栄光高校の理事長という立場を利用して、好き勝手に振る舞い、監視カメラの映像も消せると豪語していた。

しかし、誰も声を上げる者はいなかった。一つには秋田緑を恐れていたからだ。

もう一つは、高校一年八組の生徒たちにとって、秋田緑が良くない人間なら、佐藤和音もそれと同じような人間だと思っていたからだ。

二人の喧嘩は犬同士の争いのようなもので、彼らは見ているだけで十分で、自分から面倒に巻き込まれるような愚かなことはしなかった。

佐藤和音が黙り込んでいるのを見て、秋田緑は相手を辱める快感を覚えた。

秋田緑は佐藤和音を更に嘲笑った。「そうそう、今日の監視カメラの映像はまだ残ってるわよ!生活指導の先生に言いに行けばいいじゃない。私が今日あなたをからかいに来たって!あなたの10センチも離れてないところに立って、散々からかったって!映像を確認してもらえばいいわ!もちろん、学校の監視カメラに音声が入ってればの話だけど!」