第47章 秋次おじいさんの贈り物(1)

土曜日の早朝、上杉望は佐藤家本邸に佐藤和音を訪ねてきた。

佐藤おばあさんは何度も念を押した。「望ちゃん、私の大切な宝物を預けるのよ。しっかり見ていてね。若い人たちのパーティーは時々騒がしくなるから、度を超さないようにね。」

「佐藤おばあさん、ご心配なく。他の人のパーティーは騒がしいかもしれませんが、これは秋次おじいさんのためのパーティーですから、騒ぎすぎることはありません。晩餐会よりもっと穏やかになりますよ。みんなでゲームをして楽しむだけで、騒ぎもお酒も絶対にありません。」

菊地秋次がお酒を飲めないことは、業界では周知の事実だった。

上杉望は佐藤和音を隣の上杉家に連れて行った。

佐藤家本邸と同様、上杉家のこの建物も非常に歴史を感じさせるヨーロッパ風の建築だった。