第41章 佐藤隼人の志望

佐藤和音は真剣にご飯を食べていた。

隣で山田燕が何を言おうと、彼女は全く反応を示さなかった。

佐藤和音は集中力が高く、騒がしい環境でも自分のことに専念でき、邪魔されることはなかった。

山田燕は話せば話すほど憂鬱になり、自分が道化師のように感じた。

それなのに、このような佐藤和音に対して何もできなかった。

家族が夕食を終えると、中庭でお茶を飲むために座った。

これは老夫婦の習慣で、若い世代が本邸に来た時も必ず一緒に過ごすことになっていた。

ついでに、お爺様が愛する蘭の花も鑑賞する。

本邸の中庭は元々ヨーロッパ風のスタイルだったが、お爺様が蘭の花を好んでいて、特に引退を表明してからは蘭の栽培に没頭していた。

そのため、中庭に特別な場所を設け、本邸全体の雰囲気とは少し不調和な和風の小さな庭園を造り、その中に中国式の紅木のテーブルと椅子、茶器を置き、傍らには高価な蘭の花々が並べられていた。