第45章 研究所との面会

岡本治美はさらに何も言わず、娘のことを考えていたが、あまりにも明らかにはできず、ただ隠していた。

和音に実家に戻って住むように言った時、彼女はわざと来なかった。和音を見たら気持ちが揺らいでしまうのを恐れたからだ。

今、娘がしばらくの間実家に住むことを考えると、胸が締め付けられるように苦しかった。

食事は静かに進んだ。

原詩織は終始、物音を立てないように気を付けていた。

食事が終わり、原詩織が自分の部屋に戻って宿題をしている時、原おばさんが急いで彼女に注意を促しに来た。

「詩織、数日後は長男のお誕生日よ。長男への誕生日プレゼントを用意することを忘れないでね。」

「お母さん、私は長男とそれほど親しくないわ。彼の誕生日にプレゼントを贈るのは、少し出過ぎた真似に見えるし、適切ではないと思います。」

「お母さんはあなたに取り入ってほしいわけじゃないの。佐藤家の私たちへの親切に感謝する機会にしたいだけよ。あなたがここに来てからしばらく経つけど、ご主人とお奥様への感謝を示す機会がなかったでしょう。」

原詩織は考えてみると、母親の言うことにも一理あると感じた。

「でも、私が贈るプレゼントなんて、見せられるようなものじゃないわ。」原詩織は不適切に感じた。

長男の身に着けているものや使っているものは当然すべて上等品で、どれも母娘二人の一ヶ月分の出費、あるいは一年分の出費に相当するものばかりだった。

「贈り物は気持ちが大切なのよ。プレゼントが高価かどうかは関係ないわ。長男もプレゼントの値段なんて気にする人じゃないでしょう。」原おばさんは分析しながら勧めた。「マフラーを編むとか、ウールのマフラーを買って模様を刺繍するとかはどう?」

原おばさんは以前刺繍職人をしていて、原詩織も母親から刺繍の技術を少し学んでいた。プロとは言えないが、人に贈るには十分な腕前だった。

「分かりました。宿題が終わったら時間があれば準備します。」原詩織は母親の意見を受け入れた。

彼女は今高校三年生で、学業が忙しく、そんなに多くの時間を準備に割けるかどうか分からなかった。

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翌日は金曜日で、佐藤和音はいつも通り学校に行った。

休み時間に、佐藤和音は机から携帯を取り出してメッセージに返信した。

携帯の画面には、前回彼女と連絡を取った人からのメッセージが表示されていた。