第51章 妹を見るまでは安心できない

「いいえ、これは和音ちゃんへのプレゼントです」佐藤隼人は運転手と使用人と一緒に荷物を運びながら、息を切らしておばあさんの質問に答えた。

「和音のために?何を買ってきたの?」佐藤おばあさんは不思議そうに尋ねた。隼人が一体何をこんなにたくさん買ってきたのだろう。

「ぬいぐるみがたくさんあります。和音ちゃんの家にもきっとあったと思いますが、引っ越してくる時には持ってこなかったでしょうから、部屋に置くために買ってきました。それからバッグも何個かと、文房具なども」

佐藤隼人は昨夜、放課後にショッピングモールへ行き、大量に買い物をして財布を空っぽにしてしまった。

佐藤家の子供たちは毎年、年長者からお年玉をもらうが、隼人の貯金は限られていた。

母親が彼の魔術師になる夢に反対していたため、魔術関連のものは全て自分のお金で内緒で買わなければならなかったからだ。