第64章 研究所(5)

佐藤和音はさらに言った。「でも、私は週に2日しか来られません。それも来月からになります」

今月は週末も補習があるのだ。

来月になって補習が終わってから、週末に来られるようになる。

それも週末に限られる。

「なぜだ?!」吉野教授は慌てて尋ねた。

やっと見つけた天才だから、吉野教授は当然、彼女にすぐに研究所に来て、一緒に研究を始めてほしかった。

「学校に通わないといけないので」佐藤和音は答えた。

「学校?」吉野教授は声を張り上げた。「何の学校だ?高校で教えているようなことを学んで何になる?時間の無駄じゃないか...」

吉野教授には我慢できなかった。佐藤和音の才能で普通の高校の教科書を学ぶなんて...これは才能の無駄遣いではないか?

その時間を研究室で実験に費やした方がいいのではないか?