佐藤和音が家で夕食を済ませ、書斎に戻ろうとしたとき、上杉望が来た。
「佐藤おばあさん、和音さんとゲームをしに来たんですが、今晩時間ありますか?」
上杉望は年長者の前では穏やかで思慮深く、とても気が利く。
それに成績も良く、良い大学に入学し、幼い頃から「お隣の子」として評判が良く、信頼されていた。
佐藤おばあさんは反対しなかった。「おりこが行きたいなら、私は全然反対しないわ。でも8時前には連れて帰ってきてね。」
遊びに行くのは良いが、時間はきちんと守らなければならない。
上杉望は佐藤家から和音を連れ出すのは初めてではなく、これまでの実績も良かったので、おばあさんはすぐに承諾した。
「問題ありません」上杉望は胸を叩いて約束した。
佐藤和音は上杉望を見て、少し躊躇したが、すぐに菊地秋次にまだ借りがあることを思い出し、承諾した。