上杉望は考えた。佐藤和音は何もできないかもしれないが、彼女のアカウントでチームの全体的なランクを下げることができれば、マッチングする相手の難易度も下がるだろう。
自分は上手くないが、自分のランクではなんとかやっていける。
残りは秋次おじいさんに任せよう。
上杉望は、このチーム編成なら、ランクを上げられる可能性があると思った。
佐藤和音は相変わらず返事をせず、ヘッドホンを付けてゲームの準備を始めた。
マッチングが成功し、ゲームが正式に始まった。
ゲーム開始と同時に、佐藤和音は菊地秋次と共に最前線へ突っ込んでいった。
「和音さん、私について来て!秋次おじいさんの方に行かないで、あっちは危険だよ!」
上杉望は思わず和音を呼び戻そうとした。
ああ、秋次おじいさんもどうかと思う。チームに女の子がいるのに、こんな攻撃的なプレイスタイルで。