第95章 相手は強くあなたに引き受けてほしい

重要な場所の監視カメラの映像が欠落していたが、その前後の映像は残っていた。

佐藤正志は今、事件現場付近の監視カメラの映像を確認し、彼にとって重要ないくつかの点を明らかにしようとしていた。

案の定、佐藤正志は他の場所の監視カメラの映像で原おばさんの姿を見つけた。

原おばさんは当時最初に現場に駆けつけた人物だったが、それは偶然ではなかった。

なぜなら、佐藤正志は他の場所の監視カメラの映像で、原おばさんが階段の入り口の方向をずっと盗み見ていたのを確認したからだ。そこは佐藤直樹と佐藤和音が口論していた場所だった。

佐藤正志の眉間にしわが寄り、瞳はますます深く沈んでいった。

これらの映像を見終わった後、佐藤正志は尋ねた。「監視カメラの責任者は誰だ」

葛城山ホテルの監視カメラは、ローカルストレージで物理的に管理されており、ネットワークには接続されていなかった。

映像を盗むか破壊するには、ホテルに直接来て操作するしかなく、リモートでのハッキングは不可能だった。

二十代の若い男性が前に出てきた。パッとしない外見で、大して度胸があるようには見えず、佐藤正志の前に呼ばれた時は少し緊張している様子だった。

「あの...今は私が監視カメラを担当していますが、着任してまだ一週間しか経っていません...」

「前任者は?」佐藤正志が探していたのは以前の責任者だった。

支配人が傍らで答えた。「彼は既に退職しました。先週突然辞めてしまい、急遽後任を昇進させて対応するしかありませんでした」

「彼の連絡先と自宅住所を調べて持ってきてくれ」

「かしこまりました」

支配人は非常に協力的で、すぐに佐藤正志が求めた情報を持ってきた。

資料を受け取った後、佐藤正志はすぐに友人に依頼してその人物の関連情報を調査した。

しかし、得られた回答は、その人物が退職後に引っ越し、大阪市を出て、連絡先も変更していたというものだった。

もはや大阪市にいないため、短時間で相手の居場所を突き止めることは不可能だった。

しかし、現時点で把握しているこれらの情報から、佐藤正志はこの「事故」の背後で誰かが何かを操作していることを知ることができた。

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佐藤和音が最後の試験を終えて出てきた時、携帯電話を開くと、研究所のアシスタントからのメッセージで溢れていた。