第104章 庭園バーベキュー(3)

「えっ?秋次おじいさんがこんなに簡単に妥協したの?」

上杉望は今日の菊地秋次が異常なほど話しやすいと感じた。

佐藤隼人は不満げに鼻を鳴らしたが、何も言わなかった。というのも、この方の体調があまり良くないという噂を聞いていたからだ。妹が彼のために特別に食事を用意するのも、道理があることだった。

他の人々は佐藤和音の方を見ていたが、会話に入る余地がなく、なんとなく気まずい雰囲気があった。

岡本治美は菊地秋次が時々自分の娘と言葉を交わすのを見て、心配そうな表情を浮かべていた。

そして、助けを求めるように佐藤おばあさんの方を見た。

佐藤おばあさんは落ち着いた様子で座っており、制止しようとする様子は全くなかった。

おばあさんは夫から聞いていた。この菊地秋次は確かに放蕩息子だが、女性に関しては何の不名誉な記録もないということを。