第103章 庭園バーベキュー(2)

「うん」佐藤和音は返事をして、すぐにバーベキューグリルの前に移動し、焼き始めた。

佐藤隼人と上杉望は和音の左右に立っていた。これは二人が先ほど中で相談した結果だった。

何か予期せぬことが起きないように、二人は今日和音についていくことにした。

「何を先に食べたい?」和音は顔を上げて、隼人に尋ねた。

「まずはホタテの春雨焼きかな!」これは彼が先ほど自分で開けたもので、後で和音が春雨とみじん切りにしたニンニクを入れ、味付けを済ませていた。

和音は頷いた。

そして上杉望の方を向いて「何を食べたい?」と聞いた。

上杉望は少し考えて、「まずは羊肉の串を10本お願い!」

先ほど和音が羊肉を切り終えた後、彼が串に刺したものだった。

そして和音は焼き始めた。ホタテの春雨焼き、羊肉の串、エビ焼き、トウモロコシ焼きを同時進行で。

エビ焼きは佐藤おばあさんのために。

トウモロコシ焼きは佐藤おじいさんのために。

複数の料理を同時に焼きながら、和音は手際よく、熟練のプロのように見えた。

後ろ2メートルも離れていない椅子に座っている菊地秋次は不機嫌な目つきをしていた。

「俺は?」

なぜ自分に聞かないのか?

隼人と望には聞いたのに、秋次には聞かなかった。

そうだ、望は疑問に思いながら、バーベキューグリルの前で手際よく働いている和音を見た。

確かに秋次おじいさんは先ほどキッチンでは手伝わなかったけど、少なくとも今日の買い物の時は手伝ってくれた。

和音のために荷物を持ってくれたんだ!警備員にも持たせなかったのに!

「あなたは野菜よ」

和音は断固とした口調で答えた。

「なぜだ?」菊地秋次は突然立ち上がり、和音の傍に歩み寄った。

上杉望は菊地秋次に驚かされた。

まずい、小うさぎが秋次おじいさんを怒らせてしまったみたい!

望は和音のことが心配になった。

隼人は心の中で警報が鳴り響き、警戒心満々の目で菊地秋次を睨みつけた。

もう一歩でも近づいたら命がけで戦うぞという表情だった。

望が何か言って諭そうとした時、和音の甘く澄んだ声が冷静かつはっきりと言った:

「油脂とコレステロール禁止、刺激物禁止、高タンパク高カロリー禁止、辛いものと生冷えするもの禁止」

そう言いながら和音は菊地秋次の方を向き、真剣な表情で、少しも怖がる様子はなかった。