佐藤おじいさんがそう言ったので、佐藤賢治もそれ以上何も言えなくなった。
今は和音が本家に住んでいて、おじいさんとおばあさんが面倒を見ているし、彼らが大丈夫だと言うなら、もう口出しするのも良くないだろう。
彼の心の中では、まだ何か違和感が残っていたけれど。
上杉望がどんなに信頼できる人物だとしても、結局は男の子なのだ。
うちの和音は女の子なのだから。
将来両家が縁組みすることになっても悪くはないが、今の和音はまだ小さすぎる。そういったことは、もう少し大きくなってからの話だ。
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十時過ぎ、上杉望たちは佐藤和音が用意した食材を芝生に運び始めた。
芝生にはパラソルが何本か立てられ、バーベキューコンロが数台設置されていた。
脇のテーブルには既に調理済みの食べ物や飲み物が並べられていた。