第111章 彼女たちは代償を払わなければならない

佐藤正志は二階に戻ると、自分のパソコンの前に座り、自宅の玄関の監視カメラの映像を開いた。

葛城山ホテルの監視カメラの映像は見つからなかった。

自宅のものなら、少なくとも誰かに消されることはないだろう。

佐藤正志は誕生日前日の、佐藤和音が贈り物を持ってきた場面を呼び出した。

その後さらに映像を進め、翌日の夜の映像から原詩織の姿を見つけた。

彼女は意図的に家の監視カメラを避けているようだった。

別荘の玄関に監視カメラが設置されていることを知っていたので、わざと監視カメラが映らないと思われる位置を選んでいた。

しかし彼女が知らなかったのは、佐藤家の監視カメラには2種類あることだった:目に見えるカメラと、隠しカメラである。

露出しているカメラだけでは、人に発見され細工されやすい。

だから佐藤正志は前回帰宅した際、家に追加で隠しカメラを設置していた。

彼自身がIT企業を経営しており、このセキュリティ面では一般人より一枚上手を考えていた。

ただし、初めて使用することになったのが、外部の侵入者ではなく、ずっと家の中にいた人物だとは思ってもみなかった。

案の定、佐藤正志は原詩織が紙袋を捨てる映像を見つけた。

佐藤正志の目が氷のように冷たくなった。

続いて、彼は別の音声ファイルを呼び出した。

これは先ほどの佐藤直樹と原詩織の会話の録音だった。

原おばさんが密かに佐藤直樹を唆し、佐藤家の平穏を乱すような考えを植え付けている可能性を知ってから、佐藤正志は佐藤直樹の携帯に盗聴器を仕掛けていた。

先ほどの佐藤直樹と原詩織の会話は、実は全て聞いていた。

二人に近づく前、彼はずっとイヤホンで会話を聞いていたのだ。

音声と映像の内容を比較すると、思わず笑ってしまうほどだった。

そして佐藤正志は電話をかけ、電話が繋がると相手にこう言った:

「ある人物を探してもらいたい」

「まいったな、誠也若様、最近どうして毎日人探しなんですか?」

「やりたくないのか?」

「いえいえ、ご指示ください。どなたをお探しですか?記録に残っていて、意図的に行方を隠していない人なら、すぐにでも見つけ出せます!」

「うちの家政婦、原恵子の元夫だ」

原恵子の元夫、山田健司は賭博や女遊びに溺れた最低な男だった。