第122章 初出勤(2)

藤田安広はさらに言った。「それに共用のオフィススペースもあって、みんなとコミュニケーションや議論が必要な時はそこを使えます。」

独立して考える空間が必要な時は、個室やプライベート研究室にいればいい。

他の人と交流したい時は、もう一つのオフィススペースがある。

佐藤和音は共用オフィススペースに来た。彼女のデスクはすでに用意されており、奥野実里の右側、藤田安広の向かい側にあった。

デスクはきれいに整頓され、新しいパソコンも設置済みで、可愛らしいフィギュアとアニメのフィギュアが整然と2列に並べられていた。

可愛らしいフィギュアは奥野実里が置いたものだ。

アニメのフィギュアは藤田安広が置いたものだ。

佐藤和音は、このような可愛らしいものには実際まったく興味がなかった。

しかし、佐藤家本邸の自分の部屋でも、カバンや文具でも、そして今の彼女のデスクでも、可愛らしくてピンク色のものばかりになってしまう運命から逃れられなかった。