第177話 学力優秀者の中に混ざった落ちこぼれ

だから学校は佐藤和音がなぜ頑固にこの試験に申し込んだのか分からなかった。

確かに申し込みに制限はないが、このような成績が公開される試験では、彼女が何点取ろうと後ろには栄光私立高校の名前が付くことになる。

これが高校三年生の学年主任が佐藤和音に問題集を渡す時に、言葉に詰まったような表情をしていた理由だった。

クラスメートたちも佐藤和音を見る目つきが変で、彼女の謎めいた行動に興味津々のようだった。

佐藤和音は大井心の話を聞いた後、オンライン申し込みのリンクを開いた。

案の定、公式サイトの受験者リストから自分の名前を見つけた。

大井心は佐藤和音が自分の名前をじっと見つめているのを見て:「もしかして自分で申し込んだんじゃないの?」

佐藤和音の反応は自分で申し込んだようには見えず、むしろこの件を初めて聞いたかのようだった。