第184章 藤田安広への贈り物

藤田安広は奥野実里を嘲笑おうとしたその時、佐藤和音が箱を差し出した。

藤田が箱を開けると、中にはフィギュアが入っていた。

いや、これはフィギュアではない。

一見フィギュアに見えるが、よく見ると飴細工でできていることがわかった。

しかし、あまりにも精巧に作られていたため、一目見ただけでは本物のフィギュアだと思ってしまうほどで、むしろ一部のフィギュアよりも繊細で美しかった。

佐藤和音は飴細工で、藤田のために色白で美しい長身の二次元お姉さまを作っていた。

「和音さん、これ君が作ったの?」藤田は急いで和音に尋ねた。

佐藤和音は頷いた。

藤田の心は一瞬にして花が咲いたように喜びに満ちた。

研究所で唯一の、本当の意味での、純粋な女の子が、彼にだけ贈った、世界に一つだけの、手作りのプレゼント!