藤田安広は奥野実里を嘲笑おうとしたその時、佐藤和音が箱を差し出した。
藤田が箱を開けると、中にはフィギュアが入っていた。
いや、これはフィギュアではない。
一見フィギュアに見えるが、よく見ると飴細工でできていることがわかった。
しかし、あまりにも精巧に作られていたため、一目見ただけでは本物のフィギュアだと思ってしまうほどで、むしろ一部のフィギュアよりも繊細で美しかった。
佐藤和音は飴細工で、藤田のために色白で美しい長身の二次元お姉さまを作っていた。
「和音さん、これ君が作ったの?」藤田は急いで和音に尋ねた。
佐藤和音は頷いた。
藤田の心は一瞬にして花が咲いたように喜びに満ちた。
研究所で唯一の、本当の意味での、純粋な女の子が、彼にだけ贈った、世界に一つだけの、手作りのプレゼント!