第185章 化学コンクールの問題が難しすぎる

奥野実里と藤田安広に贈り物を渡した後、佐藤和音は手術着に着替えて消毒し、手術室に入る準備をした。

この手術は佐藤和音にとって難しいものではなく、肺腫瘍切除手術だった。

手術は1時間で終了した。

佐藤和音の手腕は期待を裏切らなかった。

やはりあの手の神経修復手術を彼女に任せれば、心配する必要は全くなかった。

手術が終わった後、佐藤和音は千葉佳津の母の病室に行き、診察を終えたときには既に12時になっていた。

藤田安広が車で佐藤和音を化学コンテストの会場まで送った。

試験会場は大阪大学で、主催者は大阪大学から講義棟を借りて会場として使用していた。

試験開始10分前に、教室の入り口に到着した。

入り口の監督の先生は佐藤和音の受験票を見て、本人を確認し、何度も確認を繰り返した。

単純に佐藤和音が高校生に見えなかったからだ。

情報に間違いがないことを確認してから、やっと佐藤和音を教室に入れた。

試験会場全体で、佐藤和音が最後に到着した受験生だった。

試験時間は2時間だったが、1時間も経たないうちに佐藤和音は早々に答案を提出して退室した。

他の受験生はほとんど2時間いっぱいまで残っており、中には諦めて早めに退出する者も何人かいた。

退室後、全員の表情は暗かった。

試験を受けた学生たちは学校の掲示板に感想を投稿した。

【今回の化学コンテストは人間が解けるレベルじゃない!難しすぎる!ほとんどの問題は問題文さえ理解できなかった!】

他の受験生たちも次々と反応した。

【選択問題が1問もなくて、勘で答えることもできない。】

【これって本当に高校の化学コンテスト?人生を疑うレベル。】

【正直に言うと、自信を持って解けた問題が1問もない。】

【最初の数問は少しわかったけど、後半の大問は何を書けばいいかもわからなくて、最後は適当に化学反応式を書いただけ。】

【今回高得点を取れる人は神の中の神だと思う。私たち凡人には手が届かない!】

【本当に今回の問題で高得点を取れる人がいるのか疑問。】

受験生たちは悲鳴を上げ、問題が難しすぎて、通常のコンテストよりもはるかに難しかった。

今回のコンテストの賞金が高額なのも納得だ。誰でも簡単に獲得できるものではない。

【突然、佐藤和音はどうだったのか気になる。】