第197章 動画の内容を公開する(1)

ごまかしきれないと分かり、藤田安広は先ほど佐藤直樹のお尻に注射した件を小声で奥野実里に話した。

「マジかよ!早く言えよ!一本じゃ足りないでしょ!もっと用意しなきゃ!」

奥野実里は病室に向かおうとした。

藤田安広は慌てて奥野実里を引き止めた。「恵子姉、落ち着いて!こういうのは一回二回で十分ですよ。多すぎるのはよくありません。相手だって馬鹿じゃないし、お兄さんとお母さんもいるんですから!それに、この人は今とても価値があるんです。和音さんの手術のために取っておかないと。手術が成功すれば、和音さんは名を上げられますから。」

奥野実里は考え込んで、少し納得した様子だった。

「まあいいわ、今は見逃してあげましょう。」奥野実里は言った。「でも、せっかく来たんだから、手さえ傷つけなければ、証拠も残らないように気をつければ、ちょっとした苦しみくらいなら味わわせてもいいでしょう?」