菊地秋次は笑って、興味深げに佐藤和音を見つめた。「お前は初めてだな、俺にそんな要求をするのは」
「腕の傷を処置し直す必要があります」と和音は付け加えた。
上杉望は慌てて同意した。「そうですよ、秋次おじいさん。包帯が血で染まってますよ!」
菊地秋次は和音をしばらく見つめた後、妥協することにして、着たばかりの服を脱ぎ始めた。
服を脱ぐ間、和音は傷口に触れないよう、そばで見守っていた。
彼女の慎重な様子を見て、菊地秋次の口元が少し上がった。
和音は菊地秋次の腕の包帯を解き始めた。
彼女の指は、手のひらに比べると実際かなり長かった。
しかし、彼女自身が小柄なため、他人と比べると指も少し小さく見えた。
白くて細い指が、手慣れた様子で菊地秋次の腕の血染めの包帯を解いていく。
彼女の動きは熟練していて落ち着いており、繊細な指が軽やかに動いていた。