第208章 傷跡が醜い

「もういいから、服を持ってきて」

菊地秋次は面倒くさがっていた。それに、運動で汗をかいた後なので、シャワーを浴びたかった。さっぱりと体を洗えないのは本当に気持ち悪い。

菊地秋次は服を着終わると、佐藤和音が何かを考え込んでいる様子に気づいた:

「また何を考えているんだ?おじいさんはもうお前の言う通りにしただろう?シャワーを浴びないならそれでいい」

この少女が眉をひそめないように、最後のシャワーを浴びないという条件まで、菊地秋次は妥協したのだった。

「傷跡が残る」と佐藤和音は小声で言った。

「傷跡が残ろうが何だっていいだろう?」

菊地秋次はそんなことを気にしていなかった。

男の体に傷跡が一つや二つあるのは当たり前のことじゃないか?

「よくない」傷跡が残らないなら、残らない方がいいに決まっている。