菊地秋次、上杉望と佐藤和音は上杉家が所有する高級レストランにやってきた。
上杉望は事前にレストランのマネージャーに超豪華な個室を予約してもらっていた。
三人だけだったが、テーブル一杯の料理を注文することにした。
偶然にも千葉清司も部下たちとこのレストランで食事をしており、菊地秋次がここにいることを知ると、彼らの個室に挨拶に来た。
千葉家と菊地家の関係は良いとも悪いとも言えず、どちらも東京の有数の名門で、財力も豊かだった。
出会ってしまった以上、見なかったふりもできない。
千葉清司は千葉家の傍系で、身分的には菊地家の皇太子である彼とは大きな差があった。
だから彼が菊地秋次に挨拶するのは当然のことだった。
千葉清司が個室に入った時、中には菊地秋次と上杉望の二人しかいなかった。