第232章 チャリティーパーティー(1)

佐藤和音は、その老紳士の代理人からのメッセージを受け取りました:

【ファズル先生、私どもの老主人があなたにお会いしたいとのことです。】

佐藤和音の返信は簡潔でした:【時間と場所を。】

佐藤和音はすでに二度その老紳士の助けを受けており、約束を果たすべき時が来たのです。

そのため、老紳士の要望に対して、佐藤和音はためらうことなく承諾しました。

【今週末の千葉夫人主催のチャリティーパーティーでお願いします。招待状はすでに宅配便であなたのご自宅に送らせていただきました。】

千葉清司の妻が主催するそのチャリティーパーティー?

以前、千葉清司から誘われたときは断ったのですが。

しかし、老紳士がチャリティーパーティーで会いたいというのなら、断る理由はありません。

【承知しました。】和音は返信しました。

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千葉清司の妻は上杉家所有のホテルでチャリティーパーティーを開催し、大阪市の有力者で慈善事業に関心のある人々を招待しました。

ホテルのロビー全体が貸し切られ、きらびやかな照明の下、出席した来賓は皆正装で現れました。

東京の千葉家の人間ということで、千葉夫人のこのチャリティーパーティーには多くの人が集まり、招待された人は皆出席していました。

山田燕は3日前にこの貴重な招待状を受け取り、念願の会場に到着しました。夫の佐藤博は会社の用事があったため、長男の佐藤明人を連れて出席することにしました。

佐藤明人は承諾しました。普段は母親に逆らうことが多いものの、山田燕は結局のところ彼の母親であり、合理的な要求には応じるのです。

「明人、後でよく気をつけなさいよ。今日はとても重要な老紳士も来場すると聞いているわ。」

だから今日は、千葉清司と彼の妻に会えるだけでなく、さらに重要な老紳士にも会えるのです。

今日の訪問は本当に価値があるものになりそうです。

山田燕は今日、念入りに身支度を整えました。

かつては人気女優だった彼女の容姿と気品は言うまでもありません。

三人の息子を産み育て、50歳になった彼女は、手入れが行き届いているおかげで40代前半にしか見えません。

正装で出席した佐藤明人も同様に目を引く存在で、会場に来ていた多くの若い令嬢たちが思わず彼に視線を送っていました。