第238章 老先生の贈り物(3)

チャリティーパーティーが終わった後、佐藤明人は佐藤和音を家まで送った。

山田燕が追いかけてきて、同じ車に乗り込んだ。

山田燕は佐藤和音に弱みを握られているため、和音に対しては抑制的な態度を取らざるを得なかった。

しかし今日のことについては、どうしても聞かずにはいられなかった。

「和音、叔母さんに話してくれない?橋本おじいさんとはどうやって知り合ったの?なぜあんなに高価な贈り物をくれたの?」

二千五百万円だよ!

それがどれほどのものか!

佐藤家に二千五百万円がないわけではない。

でも山田燕はまだ二千五百万円もする装飾品を自分で買えるレベルではなかった。

山田燕は老夫人の金庫にそのレベルの宝石や装飾品が多くあることを知っていたし、老主人の骨董品コレクションにもそれほどの価値のものがあった。