第238章 老先生の贈り物(3)

チャリティーパーティーが終わった後、佐藤明人は佐藤和音を家まで送った。

山田燕が追いかけてきて、同じ車に乗り込んだ。

山田燕は佐藤和音に弱みを握られているため、和音に対しては抑制的な態度を取らざるを得なかった。

しかし今日のことについては、どうしても聞かずにはいられなかった。

「和音、叔母さんに話してくれない?橋本おじいさんとはどうやって知り合ったの?なぜあんなに高価な贈り物をくれたの?」

二千五百万円だよ!

それがどれほどのものか!

佐藤家に二千五百万円がないわけではない。

でも山田燕はまだ二千五百万円もする装飾品を自分で買えるレベルではなかった。

山田燕は老夫人の金庫にそのレベルの宝石や装飾品が多くあることを知っていたし、老主人の骨董品コレクションにもそれほどの価値のものがあった。

しかしそんな高価なものを気軽に人にあげるようなことはなかった。

佐藤明人は母親が橋本おじいさんのことをそこまで気にする態度が好きではなかったが、同様に佐藤和音と橋本おじいさんがどうやって知り合ったのか知りたかった。

佐藤和音は山田燕には答えなかったが、佐藤明人の疑問に満ちた目を見て、答えを返した:

「ネットで知り合った友達よ。」

この答えに山田燕は信じられなかった:「そんなはずない、橋本おじいさんがどんな人か知ってるでしょう。どうしてネットで適当に人と知り合うなんてことがあり得るの?しかもネット友達にプレゼントを贈るなんて...あまりにも荒唐無稽すぎる...」

ネット詐欺が横行していて、金銭や色恋の詐欺が至る所で聞かれる。

なのになぜ佐藤和音の場合は、まったく逆の状況になっているのか?

山田燕には信じられなかったが、佐藤和音の言っていたことは本当だった。

彼女は本当にネットで橋本おじいさんと知り合ったのだ。

そして今日が彼らの初めての正式な対面だった。

「母さん、和音にどうやって知り合ったのか聞いたのに、答えたら今度は信じないの?」佐藤明人は眉をひそめた。「確かに珍しいことだけど、和音が橋本おじいさんと知り合いになったのはいいことじゃないか。不真面目な人じゃないんだから。」

この出来事自体は不可解ではあったが、橋本おじいさんの身分や地位、人柄は誰もが認めるところだった。