江口沙央梨も佐藤和音の成績を知って近づいてきた。「詩織、あの佐藤和音を見てよ。あいつ、本当に度が過ぎてるわ。目立ちたがりで、何でもやりかねないわね。前は化学コンクールで、今度は中間テストよ。いい加減にしてほしいわ」
江口沙央梨は原詩織に小声で囁いた。佐藤直樹が学校に戻ってきていたので、声が大きすぎて聞こえてしまうのを恐れたからだ。
「考えすぎないで」原詩織はようやく冷静さを取り戻した。「どうせ私たちには何も変えられないわ。好きにさせておきましょう」
「はぁ」江口沙央梨はため息をついた。「確かに何も変えられないわね。あいつみたいな運のいい人生じゃないんだから。前は投稿くらいできたのに、今は投稿する権限すら失っちゃったわ」
前回、江口沙央梨が佐藤和音のパパ活の噂を投稿した時、すぐに削除されてしまい、その後再投稿しようとしたら、アカウントが何も投稿できなくなっていた。