第302章 隼人兄に師匠を探す(4)

彼女は一目で、この少年が彼女に対して抱いている崇拝の念を見抜くことができた。

もし女の子が弟子入りを望んでいると言うなら、松井間弓は疑わしく思うだろうが、この少年が弟子入りを望んでいるというなら、信じられた。

金山若夫人は佐藤和音に説明した。「あなたが提示した条件は紹介だけです。成功するかどうかは、私の方では責任を持てません。」

金山若夫人は目の前の少女を見つめ、その真剣な様子に少し心が痛んだ。

そして松井間弓の方を振り向き、彼女がどう考えているのか気になった。

彼女の知る限り、松井間弓は長年弟子を取っていない。簡単に少年を入門弟子として受け入れるとは思えなかった。

金山若夫人にもどうすることもできず、松井間弓に弟子を取るよう強制することもできなかった。

松井間弓は佐藤隼人の前に歩み寄り、いくつかの質問を始めた。