第323章 佐藤さんは幸せ者

「上杉望とです。大学でダンスパーティーがあって、彼が私の固定ダンスパートナーでした」菊地秋次は正直に答えた。

佐藤和音は振り向いて、まだその場に立っている見捨てられた・元ダンスパートナー・上杉望を見た。

上杉望は今、見捨てられた悲しみどころか、むしろ外に出て爆竹を鳴らして祝いたい気分だった。

天よ、憐れんでください!大学時代、あれほど多くの可愛い女の子たちが目の前にいたのに、ダンスパーティーで彼女たちと一緒に踊りたかったのに。

そしてあの時、学校中の女子の前で、秋次おじいさんに引っ張られて踊らされたのだ!

それ以来、彼は二度とダンスパーティーに参加しなかった!

秋次おじいさんにまた踊らされるのが怖かったのだ!面子があるのだ!特に学校の多くの女の子たちの前では!

上杉望は今日のパーティー会場で適当な相手を探し始めた。女の子と踊りたかったのだ!