第333章 秋次おじいさんの前で正体を明かす(3)

佐藤和音は明瞭な発音で、論理的かつ整然と話した。

上杉望は目を見開いて、目の前にいる人が自分の和音様だとは信じられなかった!

彼の和音様がこんなにも早口で流暢に、しかもこんなに長い話をするなんて!

普段の和音様は寡黙なはずなのに!

上杉望は駆け寄って、佐藤和音の顔のマスクを外し、防護服を脱がせて、その中に隠れているのが本当に彼らの和音様なのか確かめたくなった!

上杉望がそうする前に、佐藤和音は自分で外した。

彼女は手を洗い、服を着替え、消毒を済ませてから、菊地秋次たちの方を見た。

輝く大きな瞳は、清らかで澄んでいた。

上杉望には、さっきまで中で骨を調べていた人と目の前に立っている人が同一人物だとは想像もできなかった!

菊地秋次は口元に笑みを浮かべ、上杉望ほど大げさな反応はしなかった。