「理由と証拠を出してください」佐藤和音は言った。
安田洋平は佐藤和音に説明を求め、少なくとも理由と証拠を示すよう要求した。
理由も証拠もなかった。
「これは...これに何の理由が必要なんだ?原詩織はそんな人じゃない!」
安田洋平は原詩織を深く信頼していた。彼は彼女を何年も知っており、彼女の努力も目の当たりにしてきた。
原詩織を疑問視する人に対して、安田洋平はイライラを見せた。
安田洋平が話し終えると、携帯電話が連続して「ピン」と何度か鳴り、見知らぬ番号から直接彼の携帯に送られてきた。
安田洋平は未読メッセージを開くと、複数の動画が届いていた。
それは岡本治美が用意していた、USBメモリの中身だった。
原恵子が佐藤和音が佐藤直樹を階段から突き落としたと人に話した内容も含まれていた。
音声も映像もあった。
佐藤正志は原おばさんに問題があることを知った後、彼女と原詩織を佐藤家で何日も働かせ続け、その間に録画した様々な証拠は非常に完璧だった。
送信者は佐藤和音ではなく、見知らぬ番号で、海外の番号のようだった。
安田洋平は動画を開き、次々と証拠の動画を見るにつれて、彼の表情が徐々に変わっていった。
動画の内容を見て、そして佐藤和音を見た。
先ほど自分が言った言葉を思い出し、安田洋平の顔が突然赤くなった。
安田洋平は自分が先ほど恥ずかしい思いをしたと感じた。
同時に言いようのない怒りが心に押し寄せてきた。
「くそっ!」恥ずかしさと怒りが入り混じった安田洋平は習慣的に呪いの言葉を吐いた。
そして目の前の佐藤和音を見て、説明した。「君のことを罵ったんじゃない」
安田洋平は今、気分が最悪で、佐藤和音にこれ以上の説明をする気分ではなかった。
彼の女神が彼を騙していた、なぜだ?
この感覚は、あの時告白を断られた時よりも辛かった。
安田洋平は考えれば考えるほど気分が悪くなり、直接教室を出て、高校三年の特進クラスへ向かった。
安田洋平は率直な性格で、心に思いが浮かぶと、一刻も待てなくなった。
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大洋を隔てたM国の、あるハイクラスマンションで。
鈴宮玉城は自分のパソコンの画面を見ながら「くすくす」笑っていた。
栄光高校の学校掲示板は今や彼のテリトリーだった。
和音に関係することが投稿されると、すぐに知ることができた。