安田洋平は再びショックを受けた後、意外にもプラスの効果が出た。
佐藤和音を姐御と呼ぶことも、そこまで受け入れがたいことではないと突然思えてきた。
安田洋平は急いで設定を変更し、佐藤和音との間の呼び方を申請した。
佐藤和音は確認ボタンを押すと同時に、安田洋平の呼び名を【ジェイテンの子分】に設定した。
安田洋平はこの設定を受け入れ、自分の名前にその設定を表示させた。
いつもアニキだった人が他人の子分になるのは本来なら悲しいことだが、相手がジェイテンとなると、そこまで辛くなかった。
これらを済ませると、佐藤和音はログアウトした。
傍観者たちはまだ物足りない様子だった。
安田洋平は画面を見つめたまま、しばらくぼーっとしていた。
「洋平さん、大丈夫ですか?」子分たちは安田洋平が精神的に受け入れられないのではないかと心配した。
「ランキング1位の強者の子分になるのも、そんなに受け入れがたいことじゃないかもな」安田洋平は自分の子分たちに言った。
子分たちは顔を見合わせた。
彼らのアニキは、ショックを受けすぎて自己慰安を始めたのか?
かわいそうな洋平さん...明日は学校で直接姐御に会いに行かなければならないのに。
その光景は...
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翌日早朝、安田洋平は早くから学校に行き、お菓子を買って1年8組の教室の入り口まで持ってきた。
クラスメイトは安田洋平を見るなり、佐藤和音に声をかけた:「姐御、あなたの子分が来ましたよ!」
この一声で、クラスの生徒全員が顔を上げた。
みんな昨日の騒ぎを見ていた人たちだ。
今日のリアルでの大場面を待っていたのだ。
クラスメイトたちは表面上は平静を装っていたが、実は皆見守っており、目は絶えず佐藤和音と安田洋平の方を盗み見ていた。
安田洋平もぐずぐずせず、直接1年8組に入り、買ってきたフルーツとお菓子を佐藤和音の机の上に置いた:
「言ってくれ、俺に何をさせたい?」
安田洋平は姐御を認めたものの、まだ本当に姐御として扱う態度に慣れておらず、話し方は相変わらず傲慢だった。
「なぜ私に挑戦したの?」佐藤和音は安田洋平に尋ねた。
「なぜって聞くのか?俺の挑戦状に書いてあっただろ?お前の家が原詩織と彼女の母親を冤罪に陥れたことを明らかにしてほしいんだ。」
「なぜ私が彼女を冤罪に陥れたと思うの?」