第364章 妹に言うな

「彼の服は君が吐いたんだよ。全部彼の体に吐いちゃって、自分の体には一滴も付かなかった。だから私たちは彼の上着と外のズボンを脱がせるしかなかったんだ。二人が同じ部屋にいた理由は...」

「どうして?」

「君が彼を部屋まで送ると言い出して、彼の体に吐いたから責任を取るって。誰の手も借りたくないって、自分でやると言い張って。それで彼を部屋に引きずり込んで、彼が倒れた後に君も倒れちゃったんだ。」

「その時、あなたはそこにいたの?」

「うん、吉野教授も側にいたよ。」

「じゃあ、私を運び出さなかったの?」

「恵子姉、私たちにはそんな勇気ないですよ!」

研究所全体を見渡しても、誰が恵子姉に手を出す勇気があるだろうか?命が惜しくないのか?

恵子姉が故意に倒れたかもしれないじゃないか?