第366話 物語の展開が変わった

研究所の記者会見の後、佐藤正志はまだ佐藤和音の盗作を告発した機関について追及を続けていた。

他人が問い詰める前に、その機関は自ら謝罪の場に立った。

声明を発表し、当時佐藤和音の記事を処理したのは臨時職員で、操作ミスにより記事を間違えてしまい、このような誤解が生じたと説明した。

この説明は納得しがたいものだったが、現時点で証拠がなく、また、この機関は大阪市内にないため、詳しい調査には困難が伴い、短期間では結果を得られない状況だった。

しかし、ネット上での佐藤和音への疑惑の声は完全に収まった。

佐藤和音は盗作の疑いを晴らしただけでなく、来年の大学入試に飛び級で参加する件も直接スケジュールに組み込まれた。

栄光高校はさらに、佐藤和音を高校三年生の特進クラスに編入させ、三年生の授業を受けさせることを提案した。