第369章 では、この女の子は?

上杉望は雰囲気が少し気まずくなってきたのを感じ、「千葉さん、あなたのこの贈り物は本当に心のこもったものですが、でも私たちの秋次おじいさんは本当に必要としていないんです。」

上杉望が説明している最中、菊地秋次が佐藤和音に言っているのが聞こえた。「次は肉を多めにしてくれ。人参はいらない、俺はウサギじゃないんだから。」

佐藤和音は何も言わず、黙って空になった弁当箱に手を伸ばした。

しかし菊地秋次が先に取って、「上杉に綺麗に洗わせてから返すよ。」

佐藤和音は空を掴んでしまい、黙って手を引っ込めるしかなかった。

上杉望は小声で呟いた。「僕、弁当箱なんて洗えないよ...靴下だって洗えないのに...」

そう呟いた後、菊地秋次がじっと見つめてきたので、上杉望は慌てて言い直した。「実は僕、皿洗いの潜在能力はかなり高いんですよ!」