第465章 佐藤直樹の苦さ(2)

佐藤直樹と彼のルームメイトは菊地秋次を見て、驚きの表情を浮かべた。

彼らは皆、菊地秋次を知っていたからだ。

菊地秋次はかつて東京大学の風雲児であり、彼らの先輩だった。

菊地秋次は大学2年生の時に休学して出て行ったが、戻ってきた後も同様に単位を満点で取得した。

その後も学校では三日坊主で、頻繁に授業を休んでいたが、それでも優秀な成績で早期卒業した。

このような人物は、多くの学業優秀者たちの目から見れば、まさに学問の神だった。

もちろん、菊地秋次が有名だったのは学業成績だけでなく、その容姿も理由の一つだった。

当時は学校でも間違いなくキャンパスの花形で、彼に密かに恋をしていた女子学生は、学校のピアノ湖を埋め尽くすほどだと言われていた。

もちろんこれは誇張した言い方で、ただ人気が非常に高く、大歓迎されていたことは疑いの余地がない。