第13章:前世とは全く違う人生

すべてが早すぎて、見物人たちが心の準備もできないうちに、すべてが終わってしまった。全過程は1分も経たないうちに、鈴木由美たち5人は完全に戦闘能力を失ってしまった。

「すげえ、この女子は武道家だな。手際がいいぜ」

「あの子は鈴木由美って言って、高校1年生では有名だよ。学校外にバックがいるらしくて、誰も彼女に逆らえないんだって」

「ふん、今じゃやられちまったじゃないか。5人で2人にボコボコにされて、立てなくなるなんて笑っちゃうよ」

「相手を間違えたんだな。人数を頼りに弱い者いじめしたら、相手が武術できるとは思わなかったんだろう。今の技見ただろう?速くて正確で、マジで痛快だったぜ!」

見物していた第二中学校の生徒たちは全員が馬場絵里菜を知っているわけではなく、上級生たちは興奮して、この可愛らしい後輩がこんなに強いとは思わなかったようで、あっという間に学校のいじめっ子たちをやっつけてしまったことに驚いていた。

人だかりがどんどん大きくなっていくのを見て、馬場絵里菜はパンダのように見物されるのは嫌だったので、まだ状況を把握できていない高橋桃の手を引いて、群衆をかき分けて立ち去った。

バス停まで小走りで行き、馬場絵里菜はようやく足を止めて高橋桃を心配そうに見た。「桃、怪我してない?」

「大丈夫!」高橋桃は息を切らしながら手を振って、そして馬場絵里菜の体に異常がないか確認した。「あなたは?大丈夫?」

馬場絵里菜は口角を上げて、首を振った。「大丈夫だよ」

「さっきどうやったの?振り向いたら、彼女たちみんな地面に倒れてたけど?」高橋桃は2人の女子に囲まれていたため、馬場絵里菜の流れるような動きを見ていなかったので、不思議に思った。

馬場絵里菜は心を動かされ、説明した。「家で病気療養してた間に、輝が護身用の技を教えてくれたの。まさか今日使うことになるとは思わなかったけど」

高橋桃はいつも馬場輝を尊敬していたので、馬場絵里菜の言葉を疑うことはなかった。ただ今考えると少し怖くなり、心配そうに言った。「輝が教えてくれて良かった。でないと今日私たち二人とも痛い目に遭ってたかも。相手は5人もいたんだし」