第23章:白い狼を手ぶらで捕まえるのを責めないで

高橋桃と鈴木先生も馬場絵里菜の意図を理解した。先日、馬場絵里菜は池に落ちて、そのせいで病気になり、数日間休んでいた。

ただし、事情を知らない鈴木先生は馬場絵里菜が自分で落ちたと思っていたが、高橋桃は違った。彼女は鈴木由美が押したことを知っていた。

「はい、先生。実は先日の馬場絵里菜が池に落ちた件は鈴木由美がやったんです。彼女が馬場絵里菜を池に押したんです」高橋桃は急いで言った。まるで鈴木由美が逃げてしまうのを恐れているかのような切迫した様子だった。

その言葉を聞いて、皆は驚きの表情を浮かべた。馬場絵里菜は3組の生徒だが、彼女が池に落ちた件については、その場にいた先生たちも耳にしていた。通りかかった男性教師が間一髪で助け上げ、その後病気になったということで、この件はすぐに過ぎ去っていった。