第22章:自業自得

一番怖いのは、空気が突然静かになることだ……

監視カメラの映像を見た後、皆は黙り込んでしまい、誰も口を開こうとしなかった。さっきまで娘のために正義を求めて叫んでいた田中霞さえも口を閉ざした。映像ははっきりと映っており、目に問題がない人なら誰でも、馬場絵里菜が鈴木由美に触れていないことが分かった。

しばらくして、菅野校長が沈黙を破って言った。「田中さん、この監視カメラは嘘をつきません。このように見ると、馬場さんも確かに嘘をついていなかったことが分かります。お嬢さんの怪我は彼女とは無関係だったのです。」

田中霞は気が短く横暴な性格ではあったが、プライドもある人だった。さっきまでの威勢の良さと同じくらい、今は恥ずかしさを感じていた。ファンデーションを塗った顔は赤くなったり青ざめたりし、先ほどまでの気炎も一瞬にして消え失せていた。

「その通りです。映像によれば、法的な観点から見て、この事故の過失は被害者本人にあり、他人は関係ありません」と、傍らにいた警察官も冷静な口調で述べた。

鈴木由美と母親は今や顔向けできない状態で、二人とも頭を垂れ、敗北の色を浮かべていた。今の二人は、まるで皆に笑われる道化のように感じ、すぐにでもここから逃げ出したい様子だった。

高橋桃は気持ちよさそうに馬場絵里菜に向かって眉を上げ、心道第二中学校の入り口に監視カメラが設置されていて良かったと思った。でなければ、鈴木由美の母親の性格からして、きっと学校に馬場絵里菜を処罰させようとしただろう。

これこそ、因果応報というものだ。

「事態が解決したようですので、私たちはこれで失礼します」二人の警察官は事の真相が明らかになったため、これ以上留まる必要はないと考え、その場を去ろうとした。

「ちょっと待ってください」

そのとき、馬場絵里菜が突然口を開いた。

皆は驚き、馬場絵里菜が警察官を呼び止めた理由が分からなかった。

鈴木由美が最も不安そうだった。監視カメラの映像には音声はなかったものの、誰の目にも自分が挑発して事を起こしたことは明らかだった。今、馬場絵里菜が警察官を引き止めたのは、もしかして自分の責任を追及するつもりなのだろうか。