第21章:自業自得

嘘をつく人は必ず後ろめたさを感じるものだ。自分がどうやって怪我をしたのか、鈴木由美は誰よりもよく分かっていた。目の前で母親が警察に通報する電話をかけているのを見て、由美は慌てて「お母さん、やめて……」と言った。

「由美、怖がらないで。お母さんがついているから、この件は絶対に終わらせないわ!」田中霞は娘の言葉を遮り、そして電話口に向かって「はい、第二中学です。関係者は全員ここにいます。すぐに来てください」と言った。

田中霞が警察を呼んだのを見て、他の人々は顔を見合わせた。高橋先生が何か言おうとしたが、校長の手振りで制止された。

この田中霞とは話が通じにくく、明らかに馬場絵里菜を退学させようとしている。このまま膠着状態を続けるよりも、警察に来てもらって処理してもらった方がいい。是非はきっと公正な結果が出るはずだ。