「お母さんには先生が電話をしましたから、もうすぐ来るはずです」鈴木先生は馬場絵里菜の肩を優しく叩いて、なだめるように言った。
馬場絵里菜は、先ほど警備室での勢いはすっかり消え、椅子に座って穏やかな表情を浮かべていた。言葉を聞いて、鈴木先生に笑顔で頷いた。「ありがとうございます」
この件は彼女自身で対処できるものの、年齢が若すぎるため、保護者への連絡は必須だった。
鈴木先生はため息をつきながら「こんな大きな事件があったのに、どうして先生に話してくれなかったの?」
「実は本気で追及するつもりはなかったんです」馬場絵里菜は答えた。「鈴木由美が私を池に突き落としたことを見た人はいませんでした。彼女が自分で他の人に自慢したから、学校で噂になっただけです。でも結局証拠がなかったんです!今日たまたま警備室の防犯カメラが池を映していることに気付いて、自分の正当性を証明しようと思ったんです」