第077章:そのハンカチはどこから?

鈴木由美は後ろの席に座り、クラスメートたちの口論を聞きながら、密かに拳を強く握りしめていた。

以前の開脚による怪我がまだ治っておらず、今でも歩き方がぎこちない。今日学校に来て、明らかに誰かが陰で自分を笑っているのを感じた。

そして父は、以前馬場絵里菜をプールに突き落とした件で、なんと300万円も賠償することになったと告げた。厳しく叱られただけでなく、もう少しで祖父の家に転校させられるところだった。母が必死に頼んでくれなかったら、今日は第二中学校に戻ってこられなかっただろう。

ところが今日戻ってきたら、馬場絵里菜と夏目沙耶香が友達になったという噂を聞き、胸が詰まるような不快感を覚えた。喉に詰まった息が上がりも下がりもせず、壁を引っ掻きたいほど腹が立った。

以前、林駆のために夏目沙耶香に近づこうと苦心したのに、全く相手にされなかったのに。馬場絵里菜は一体どんな方法を使ったのか、夏目沙耶香と友達になれるなんて。