第074章:異次元コンビ

今日は天気が良く、朝の太陽はまだ寒さを帯びているものの、以前のような乾燥した寒さではなくなっていた。道端の植物も新芽を出し始め、東京という北の都市は初春を経て、徐々に暖かくなり始めていた。

第二中学校の外の交差点はいつものように混雑しており、馬場絵里菜と高橋桃の二人が道路を渡ったところで、後ろからベンツが走ってきて、ゆっくりと路肩に停車した。

車のドアが開き、夏目沙耶香がカバンを背負って車から降りてきた。道端の二人に向かって明るい笑顔を見せながら、「おはよう、絵里菜、桃」と声をかけた。

夏目沙耶香も今日は制服を着ており、艶のある黒髪をきちんとポニーテールに結び、シンプルな髪型に見えるが、黄色い宝石の高級なヘアピンをつけていて、一目で高価なものだとわかった。

昨日のゲームセンターでの時間を過ごした後、三人の関係はさらに親密になっており、二人は我に返るとうなずいて笑顔で「おはよう、沙耶香」と声を揃えた。

夏目沙耶香は積極的に二人の腕に左右から腕を組み、「昨日叔父が家に食事に来て、今回の月例テストでのクラス替えの時に、新しい転校生が来るみたいって話してたの」と話し始めた。

「叔父さん?」高橋桃は一瞬戸惑い、すぐに思い出して「あ、そうだ。沙耶香の叔父さんの夏目俊先生は私たちの学校の理事だったわね」

「でも、こんな時期に転校生?」高橋桃は少し不思議そうに眉をひそめた。確かに学期が始まってしばらく経ち、期末試験まであと2ヶ月というところだった。

夏目沙耶香はうなずいて「しかも転校生も月例テストを受けるみたいで、その成績によって直接クラスが決まるって聞いたわ」

「別に珍しくないわ。第二中学校は元々お金持ちの学校だもの。家に学費を払える余裕があれば、入学するのは難しくないわ」と馬場絵里菜は淡々とした口調で言った。

高橋桃と夏目沙耶香も同意してうなずいた。

三人が腕を組んで校門に入ると、たちまち特別な光景となった。上級生たちは彼女たちのことをよく知らないかもしれないが、高校1年生たちは幽霊でも見たかのように目を見開いていた。

馬場絵里菜、高橋桃、そして…………………………夏目沙耶香!!!!!

これは何という異次元のコンビネーションなんだ?