第094章:会社を動かそう

馬場絵里菜は白目を向けて不機嫌そうに、白川昼とのふざけた会話を続けず、ソファに座ってから本題に入った。「電話で言っていた件は済んだの?」

白川昼も表情を引き締め、真剣な面持ちで頷いてから、一つのファイルを馬場絵里菜に渡した。「門主、ご自分でご覧ください」

馬場絵里菜は今や白川昼の向かいに座っているものの、まだ完全には信じきれていなかった。白川昼の能力をまだ十分に把握できていないというのもあるが、それ以上に、グループ会社の設立に必要な時間と労力を馬場絵里菜はよく知っていた。前世で東海不動産を設立した時は、全ての手続きを完了するのに半年近くかかったのだ。

半信半疑でファイルを開き、馬場絵里菜は一枚一枚確認していった。白川昼もタイミングよく説明を始めた。「門主、ご指示通り会社名は『Mグループ』として登記し、第一子会社を東海不動産としました。登録資本金は100万円で、認可書類は全て中にあり、押印済みです。会社の所在地は港区に決め、一フロアを借りました。以前の会社が引っ越したばかりで、既存の内装も悪くないので、改装の必要はないと判断しました。パソコンやオフィス用品は既に発注済みです」