第171章:旅行に行きましょう

お金のことを考えると、馬場絵里菜はまた頭が痛くなった。

不動産はもともと深い穴で、初期投資は底なしだが、リターンを見るには非常に長い過程が必要だ。

目の前のホテルプロジェクトを例にとっても、ホテルが完成して営業を始め、利益を上げるまでには数ヶ月や1、2年では済まない。

だから不動産投資をする人の多くは、他の分野で成功を収めてから資金を持って土地に手を出す。彼女のように200万円を持って飛び込んでくるのは、結局のところ白川昼が後ろ盾になってくれているからだ。

それでも馬場絵里菜は、これは長期的な解決策ではないと感じていた。会社の初期段階を白川昼一人に頼るわけにはいかない。たとえ白川昼が彼女にお金を使うことを信条としていても、馬場絵里菜自身がこの壁を乗り越えられないのだ。

だから彼女は他の金策を考えなければならない。それも一夜で大金を得られるような方法を。

馬場絵里菜の目的は単純で、白川昼のお金を早く返済し、自分の能力でグループを運営したいだけだ。

突然、もうすぐゴールデンウィークだということを思い出した。この時期のゴールデンウィークは7日間もある……

頭の中で考えを巡らせ、馬場絵里菜の顔に突然狡猾な笑みが浮かんだ。

その笑顔を見た白川昼は、なぜか背筋が凍る思いがした。すぐに馬場絵里菜を見つめて瞬きし、静かに言った。「門主、これは……」

何か悪だくみをしているのか?

白川昼は後半の言葉を口に出す勇気がなかったが、その口調に込められた意味は非常に明白だった。

馬場絵里菜は姿勢を正し、白川昼に向かって頭を上げた。「ゴールデンウィークに旅行に行きませんか?」

「いいですね!」白川昼の目が輝き、心の中で興奮を抑えきれなかった。門主と一緒に旅行に行けるなんて。

「どこに行きますか?」白川昼は期待に満ちた表情で尋ねた。

馬場絵里菜は唇を曲げて笑った。「マカオに行きましょう!」

急いでうなずく。門主と一緒なら、どこでもいい。

食事は満腹になるまで楽しんだ。馬場絵里菜はこんなに気兼ねなく美食を楽しむのは久しぶりだった。山本陽介の料理の腕前が本当に素晴らしかったのだ。

食事の後、馬場絵里菜は床から天井までの窓の前に立ち、東京の夜景を眺めながら、しばし物思いに耽った。