翌日、細田登美子は馬場輝に付き添われて、第一病院に入院した。
馬場輝の顔の傷を見た時、細田登美子は驚いたが、馬場輝は気にする様子もなく、バーで喧嘩をしたと素直に認め、表面的な傷だから大したことはないと言った。
そのため細田登美子は外で事を起こさないように少し注意しただけだった。自分の息子のことはよく分かっているので、心配はしているものの、それ以上は何も言わなかった。
馬場絵里菜は学校に通っていたため、細田登美子は自分の病気が娘の勉強に影響を与えることを心配し、わざわざ病院に来る必要はないと言い聞かせた。
馬場絵里菜は素直に従い、週末だけ病院に母を見舞いに行くことにした。何より宮原重樹がいるので安心できたし、宮原重樹は毎日電話で母の様子を報告してくれるため、病院に行かなくても状況をよく把握できていた。