第200章：美人計は即効性あり

「このまま終わらせるつもり？」

馬場絵里菜は淡々と口を開き、林駆に尋ねた。

林駆はその言葉を聞いて、突然苦笑いを浮かべ、首を振った。「終わらせるというより、馬場依子とは一切関わりたくないんだ。」

この女は彼に吐き気を催させた。

馬場絵里菜は林駆が細かいことにこだわる人間ではないことを知っていた。ましてや馬場依子のような女と争うような人間でもない。

しかし、林駆が簡単に済ませようとしても、馬場依子がそう簡単に手を引くとは限らない。

そして明らかに林駆は彼女の相手ではない。

しょうがない！

馬場絵里菜は心の中でため息をつき、林駆を見つめながらゆっくりと口を開いた。「私が解決してあげる。」

林駆は一瞬固まり、馬場絵里菜を見つめた。

しばらくして、林駆は首を振った。「いいよ、君を巻き込みたくない。」

しかも馬場依子の手口は身をもって知っている。決して馬場絵里菜に辛い思いをさせたくなかった。

馬場絵里菜がこの時点で立ち上がってこう言ってくれただけでも、彼は十分感動していた。

しかし馬場絵里菜は全く気にする様子もなく、自分の言葉を続けた。「三日あれば、真相を明らかにできる。」

林駆：「……」

馬場絵里菜の目は輝き、胸に確信があるかのようだった。

林駆は心の中で疑問を感じながらも、少し緊張して尋ねた。「どうするつもり？」

「それは気にしないで。この数日は噂が止まないだろうけど、あなたは心構えを整えておくだけでいい。あとは私に任せて。」馬場絵里菜は軽く微笑み、答えなかった。

林駆が何か言おうとしたが、馬場絵里菜はすでに背を向けて手を振っていた。「私のことは心配しないで。」

少し痩せた馬場絵里菜の後ろ姿が徐々に遠ざかっていくのを見つめながら、林駆の目には光が宿り、心の中は温かい流れで満たされた。

……

馬場絵里菜の言った通り、昼食時の食堂での出来事はすぐに噂となって広がり、その勢いは凄まじく、瞬く間に誰もが知るところとなった。

馬場依子は'被害者'として、皆から同情され、可哀想がられた。

一方、本当の被害者である林駆は、世論が一方的になったことで、完全なサトウキビ男となってしまった。

サトウキビ男とは何か？最初は誰もが甘いと思っていたのに、最後まで噛んでみると渣しか残っていなかったような男のことだ。