馬場絵里菜は冷たい目で細田梓時を睨みつけた。
その視線は霜が降りたように冷たく、温もりが一切なく、細田梓時の心臓を一瞬止めるほどだった。
細田梓時:「……」
不機嫌そうに口を閉ざすと、馬場絵里菜も一瞥しただけで視線を外した。
細田梓時は未だ動揺が収まらず、疑問と怒りが入り混じっていた。この馬場絵里菜はいつも臆病で、蚊の鳴くような声で話すのに、あんな目つきで自分を睨むなんて?
いや、きっと見間違いだ。
細田梓時は馬場絵里菜の一瞥で口を閉ざしたことを認めたくなかった。
馬場絵里菜は表情を元に戻し、進藤隼人を見つめながら静かに言った:「気にしないで、行きたいかどうかだけ答えて。」
行きたい、もちろん行きたい。
進藤隼人は興奮した様子で頷き、その端正な顔は笑うと可愛らしくも魅力的で、馬場絵里菜はそれを見て心が躍った。